ハワリンバヤル2019 モンゴルカレッジ御登壇者の紹介と御講演順序
2019.3.30 出口英昭
5月4日 於:練馬区光が丘図書館2F視聴覚室
1.1時~2時 「モンゴルの養蜂」
講師:西山亜希代 公益社団法人国際農林業協働協会 業務グループ 調査役
[プロファイル]大阪外国語大学外国語学研究科修了後、社団法人国際農林業協力協会(現・公益社団法人国際農林業協働協会)に所属。ミャンマー等アジアでの農業開発事業やアフガニスタン農業研究人材育成等のプロジェクトに携わる。2013年農林水産省の助成によりモンゴルで養蜂技術向上事業を実施、その後、JICA草の根技術協力事業にて、2015年4月~2018年4月「モンゴル国養蜂振興による所得向上プロジェクト」、2019年3月から「モンゴル国地方での生計維持を目指した養蜂振興プロジェクト」にてプロジェクトマネジャーを務める。
[講演要旨]モンゴルにとって養蜂は、遊牧や農業に比べて小さな脇役に過ぎないが、近年、養蜂家や飼育蜂群数は増加の一途をたどり、その存在感は日増しに大きくなっている。養蜂は、他の産業と土地を共有できる。花粉媒介の機能ゆえに農業資材としても重要である。また、その主産物である蜂蜜は食品として安定した性質を持つ。養蜂の特殊性やセレンゲ県で実施してきた養蜂振興プロジェクトの取組みを紹介し、モンゴルにとっての養蜂の意義と可能性を探りたい。
2.2時~3時 「モンゴル牧民の知恵に学ぶ」
講師:高槻成紀 麻布大学いのちの博物館上席学芸員
[プロファイル]1949年鳥取県生まれ。麻布大学いのちの博物館上席学芸員。東京大学、麻布大学教授を経て、現職。専門は生態学、保全生態学。ニホンジカの研究を続ける一方、タヌキなども調べている。2002年以来、夏にはモンゴルで調査をしている。著書に「野生動物と共存できるか」「動物を守りたい君へ」(岩波ジュニア新書)、「シカの生態誌」(東大出版会)など。
[講演要旨] 日本人にとっては平野には田畑があり、山には木が生えて林があるのは当たり前のことだが、モンゴルでは平地も山も草原である。日本では地面は少し掘れば湿っているが、モンゴルでは掘ってもサラサラの乾いた砂が出てくる。モンゴル以外の国の人は土地あたりの生産性を上げるためには土地を耕して肥料を与えれば良いという。あるいは柵を作ってその中で家畜を飼う方が効率が良いという。本当にそうだろうか?なぜモンゴル牧民はそうしてこなかったのだろうか?そのことを考えるために調べたことを話したい。
3.3時5分~4時5分 「モンゴル・ゴビに恐竜化石を求めて」
講師:柴 正博 ふじのくに地球環境史ミュージアム客員教授。
[プロファイル]2018年3月まで東海大学海洋学部博物館の自然史担当学芸員(学芸担当課長)。博物館につとめる地質屋で、大地をつくる地層や化石を調べ、地球や生物の歴史について調べています。著書に「モンゴル・ゴビに恐竜化石を求めて」がある
[講演要旨]ゴビは広大な草原と砂漠の地で、そこでの旅はまるでロールプレイングゲームを現実にやっているような楽しさがあります。ゴビは、世界で最大の恐竜化石産出地のひとつで、現在でも発掘調査などが行われています。私は、東海大学自然史博物館で恐竜化石などの研究と展示を担当していたことから、1994年からほぼ10年間、ゴビで恐竜化石とそれを含む地質についての調査を行ってきました。本講演では、ゴビで発見される恐竜化石やその地質と自然のお話をさせていただきます。
4.4時5分~5時5分 「大地と大地をつないで」
講師:ガンバット ウスフバヤル 北海道モンゴル経済交流促進調査会 事務局次長
[プロファイル]1984年 ウランバートル市生まれ。2000年 モンゴル国立科学技術大学外国語学部入学。卒業後、当時のモンゴル国食料農牧業省での秘書業務を経て、2006年 JICA技術協力プロジェクトの職員となり、農業への造詣を深める。 2009年 北海道大学大学院農学院に入学、2016年に博士課程を修了。元自民党幹事長であり、在札幌モンゴル国名誉領事を務める武部勤氏の勧めで、札幌第一興産(株)入社。
[講演要旨]私は北海道に住んで10年目になる。北海道大学に留学したのがきっかけで、北海道にはモンゴルのために参考になる何かが必ずあると思いました。大学卒業後は日本の社会をもっと知りたい、北海道とモンゴルの架け橋になりたいと思い、札幌での就職を決意しました。仕事内容は北海道とモンゴルを結ぶ、経済交流窓口の開設を担当している。この講演では、日本の中で気候が最も似ている北海道とモンゴルの寒冷地ならでは共通点を活かした交流ついて、その成果、また今後の可能性についてお話をさせていただきます。